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2013/12/07 (Sat) クリームシチュー

「ご飯は?」と背中から彼の声が聴こえた。
鍋からクリームシチューを器によそっているときだった。
彼女は一呼吸置いて、慎重に言葉を選んで言った。
「今からでよければ炊くけど、パンだけじゃ物足りないかな」

こういうことは前にもあったっけ。
そうだ、フライドチキン。
あのときもご飯が欲しいと彼が言って喧嘩になったんだ。
私が絶対に合わないって譲らなかったから。

「パンだけでいいよ、ちょっと訊いてみただけ」
「そう、ジャガイモいっぱい入れるね」

クリスマスや二人の記念日が近づくと、お互いに自然と気を遣うようになる。
つまらないことで嫌な思いはしたくない。
パンをボロボロと散らかしながら美味しそうにシチューを頬張る彼を前に、
子供っぽいのはどっちの方だっただろうと彼女は思った。
(つづく)

クリームシチュー

●耳付きスープボウル sizukuさんの「ぬくもりのある暮らし」展にてどうぞ。

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二人 | comment(0) |


2013/05/01 (Wed) ハンバーグプレート

sizukuさんでの個展、月曜日で終了しました。
会期中にお運びいただいた皆様、本当にありがとうございました。
私の普段の器がsizukuさんのコーディネートで少しだけ特別な雰囲気に。
翡翠釉、粉引、黄色、ブロンズ釉、楽しく選んでいただけたでしょうか。

また、出品作につきましては5月4日までwebshopでもご覧になれます。
あと少しの間ですが、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。



ハンバーグが「ご馳走」じゃなくなったのはいつの頃からだろうか。

玉葱を炒めず、そのまま挽肉に混ぜ込む作り方は母親が教えてくれた。
卵やナツメグなどの調味料も順に加えてよく捏ねる。
厳かな手つきで形を整え、一つ一つ熱いフライパンの上に並べていく。
強火で片面を焼いたら引っくり返して蓋をし、火加減を調整。
パチパチと油が撥ねる音がやがて収まるまで彼女は料理に集中していた。

ハンバーグプレート

付け合わせには固く茹でたブロッコリーに人参のグラッセ、などではなく、
ケチャップにまみれたスパゲッティーと山盛りのフライドポテト。
全てが皿に配置されると、見計らったように彼が部屋にやって来た。

「今日は何かあったの?ご馳走だけど」
嬉しそうな彼に彼女も思わず笑った。
いよいよGWが始まり、この日は久しぶりに会えた二人だった。
(つづく)

二人 | comment(4) |


2013/04/25 (Thu) チキンカレー

sizukuさんでの個展のテーマは「新生活」だと少し前に書いた。
その言葉から連想するものはもちろん各々自由だけれど、
私自身はというと、制作中にある架空の女性をイメージしていた。

東北の田舎で育った彼女は、地元の短大まで実家から通っていたが、
就職を機に初めて都会へ出ることになる。
初めての一人暮らし。
初めてのボーイフレンド。
彼女がいかに社会と接し、人と接するかということを細かに想像した。
どんなことが好きで、どんなことに傷つき、どんなことに癒されるのかと。
私は彼女のために卓上を飾る花入れや、明るい色のマグや皿を作ったのである。
気持ち悪いですか?

ある日のことだ。
彼女はボーイフレンドに喜んでほしくて生春巻きを作ったが、反応はいまいち。
男というのはこういうのを出されても何て言ったら良いのか分からないから。
できればカレーとかハンバーグとかそういうのがいい。
馬鹿みたいだと思うかもしれないけれど、それが真実なのである。

チキンカレー

男の胃袋を掴むのにはこれだ。
黄色のカレー皿は、生春巻きを載せた翡翠釉の皿と形やサイズなどは同じ。
「色の違いを楽しむ」という私の作風もよく表しているかと思う。

だが二人はこのとき「カレーに合う肉」について初めて喧嘩することになる。
「うちは本来豚肉」
「豚肉だけはあり得えない」
若い二人にはその後も色々あるわけだが、どうか幸せになってもらいたい。
(需要があれば続く)

二人 | comment(6) |


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小澤基晴

Author:小澤基晴
岐阜県土岐市でやきものを作っています。
仕事の試行錯誤の様子、展示会などのお知らせ、家族のことなど。

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